ご注意ください!
今回は、池の水の増え方と降水量に関する少し堅いお話しです。
長文です。興味のない方にはまったく面白くないです。
9月の下旬には気温も少し下がり、雨の日も多くなりました。
そして10月になり、天気が不安定で気温も一気に下がってきました。
「秋はないのか!」と言いたい気分です。
ところで、9月の初めは雨が降っても全く池の水が増えなかった火打池ですが、9月の中頃から、降水量以上に池の水深が増えているように感じました。
なぜ?降水量1mmなら、池の水深も1mm増えるぐらいじゃないの?
この差はどこから来るのか・・・
ちょっと気になり、雑ながらも調査&整理しましたので、こちらで報告いたします。
経過
【9月6日】
火打池の水深が最も少なかったのは、8月31日~9月5日頃で9月6日の水深は680mm
この期間の降水量は3mm、水路からの流入量はゼロ
(水深はだいたい週1回で計測)
【9月14日】
9月6日~13日の降水量は26mm、水深は少し増えて9月14日で720mm(前回より40mm増)
水路からの流入量ゼロ
【9月21日】
9月14日~20日の降水量は51mm、水深は9月21日で850mm(前回より130mm増)
水路からの流入量ゼロ
この辺りから、降雨量よりも池の水の増え方の方がが明らかに多い気がしてきました。
(下の写真は9月6日と9月21日の写真です。)
【9月30日】
9月21日~29日の降水量は68mm、水深は9月30日で1020mm(前回より170mm増)
水路にも水が溜まってきていました。(流水量が測れるほどの量ではありませんでした。)
降水量の倍以上、水深が上がっていました。
→この時点で10月7日に予定していたの水生昆虫観察会は実施できそうとほっと一息。
泥の上に乗りあげた状態になっていた筏も水に浮いた状態に戻りました。
【10月3日】
9月30日~10月2日(3日間)の降水量は46mm、水深は10月3日で1350mm(前回より330mm増)
水路からも流入あり。
水路からの流入が始まったためか、今までとは比較にならないスピードで水深上昇中。
池の真ん中にあった竹の観測点に行くことができなくなったため、観測点をテラスの脚に戻す。
【ちょっと横道】
10月7日に観察会が控えていたため、様子を見に通っていたので面白い写真が撮れました。
9月30日には竹が水面から35cmほど出ていたのですが、それがみるみる短くなっていく・・・。
【10月6日】
まめに池をのぞいてくれていた大さんから「水があふれてまーす」と写真付きの連絡。
ちょうどいいぐらいで止まってくれないものだなぁ、とつくづく。
【10月7日 水生昆虫観察会(主催:昆虫博士ネットワーク)当日】
10月3日~10月6日(4日間)の降水量は65.5mm、水深は10月7日で1860mm(前回より510mm増)
水路からも流入あり。
池の周りの水は昨日より一段と増え、木道が沈みかけていました。
少し早く行って、排水口を確認したところ、やはりふさがったまま。溢れるわけです。
溢れてしまった、排水口を開けた、ということで調査は強制終了です。
【8月31日~10月7日までのまとめ】
この一ヶ月の降水量と火打池の水深の増え方をグラフにすると以下のようにになります。
・棒グラフの降水量は、8/31~10/6までの小国観測所の毎日の降水量を積み上げていったもの。
・折れ線グラフは、8月31日の水深を0として、それ以降の水深を表しています。
(水深は一週間に一度程度の計測。そのためグラフは階段状になっており、また、実際に池の水が増えた日とグラフ上の増えた日にはタイムラグがあります。)
水深増加量と降水量の差についての考察
<仮説1>
降水量と水深増加量の差は、小国観測所の降水量と現地の降水量に差があるから!
ーー 簡易測定器(ただの100均のごみ箱にメモリを付けたものです)確かに小国観測所40mmに対し、現地の簡易測定では66mmと1.6倍の降水量となったこともありました。が、しかし、降水量と水深増加量の差それどころではなかったので、この説は却下。
<仮説2>
降水量と水深増加量の差は、池の底から水が湧いているから!
ーー ここ火打池は、①昔からの池である、②側面、池の底ともコンクリートは一切使われていないため、水が湧いている状態を目で確認はできないもののその可能性は十分にありそうです。
水路の水が涸れている状態だった9月20日頃から、池の水が降水量を上回って増えている感じがありました。
水深増加量の折れ線グラフは階段状ですが、毎日計測していれば降水量に関係なく徐々に増えていたことが分かったのかもしれません。
そしてこの”増えた水”は、池の周辺や上流に降った雨が地中を通り火打池に流れ込んできたものではないかと、
あくまでも推論ですが。近ければ毎朝計測に行くのですけどね~、残念!!
ポイント① 昔からの池である
周りよりも低い場所にあるので「水は高いところから低いところへ流れる」という言葉の通り、周辺の水が自然に集まる場所であると考えられる。
ポイント② 側面、池の底ともコンクリートは使われていない。
コンクリート張りの池であれば、土中に浸みこんだ水が側面や底面から池に入ってくることはない。しかし、火打池はコンクリートが使われていないため、地中を流れてきた水が、池の側面や底、どこからでも池に入ってくることができる。
ポイント③草刈りがしてある
池の周りは草刈りをまめにやっているためヨシやススキはなく、草が水を吸い上げる量が少ない。
まとめ
「池の底から湧いている」というのとは少し違うかもしれませんが、火打池には、土の中を流れている水が集まってきているのではないかと推察。
もともと池だったということは、水の集まりやすい場所であることは当然のこと。
ただ、水路から流れ込んでいる水(表面を流れている水)が全てではなかった、ということなのかもしれません。
水路を水が流れ始める前に、池の水深は降水量以上に増え始めていたように感じます。(毎日水深を測っていたわけではないので、あくまでも”感じがする”という程度ですが。)
9月20日頃からの水深の増加は、土の中を通って池に入ってくる”目には見えない水”が増えていたからではないでしょうか。目に見えているものが全てではない!というのが今回の私結論です。
維持管理が大変なので、コンクリート張りのため池が増えていますが、維持管理ができるのなら同じため池でも天然のため池の方が、渇水に強いのかもしれません。あくまでも”かも”という程度ですが。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!
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